創業は２０１７年１２月７日。健康長寿の「健」と「寿」から「麺屋KENJU」と命名。
田舎の一軒家で開業したくて探していたところ、今の物件と出会った。「高崎自然の森」に近く、店主の大好きな野鳥が敷地内にくるほど、のどかな場所だ。そんな立地だが、県内外から多くのファンが植物性食品のみで作られた、ヴィーガンラーメンを求めてやってくる。

――「体に優しいラーメン」を追求していたら、結果的にヴィーガンになっていた――
意外に思ってしまうが、店主は初めから動物性食材を一切使用しないヴィーガンラーメンにしようとしていたわけではない。元々は動物性の食材も使用していたが、とにかく「体に優しい」を突き詰めていくと、動物性食材が一つ一つ減っていき、最後には卵もチーズも使わなくなっていたという。
そうして出来上がったのは、「胃もたれしない」「食後のニオイが気にならない」「いつ食べても丁度いいラーメン」。しかし、なかなかこの野菜中心のラーメンは「ラーメン」として認めてもらえず、最初の頃は客が来なかった。「ラーメンではない」と言われ、一時はラーメンと名乗るのを辞めたことさえあった。しかし、あきらめず「体に優しいラーメン」を追求し続けた結果、少しずつファンを増やすことに成功し今に至る。
「大好きなラーメンで野菜補給を・・・」「胃が疲れているけどラーメンが食べたい・・・」「夜食に罪悪感のないものを・・・」例えばこういったシーンでの、より多くの人の「ラーメンの一つの選択肢」となることを店主は願っている。

ベースのスープは主に北海道産じゃがいもを数品種使用し、独自の特殊製法で三日間かけてじっくり仕込む。そうして出来上がるスープは、最初はサラッとしているが、ラーメンを食べ進めるにつれてとろみが増し、油分が少なくてもラーメンが冷めにくく麺にもよく絡むようになる。そして最後はポタージュのような舌ざわりに変化して、その濃厚な野菜の旨みを堪能できる。この変化するスープを店主は「発明」と自負する。さらにこのスープのとろみ加減に一切のブレが出ないよう、必ず一食ずつ小鍋でかえしなどと調合するという徹底ぶり。
ぜんぶ飲み干せるよう塩分濃度にもこだわり、計測器での確認を怠らない。また独自に調合したスパイスで香りを立たせ、塩分が控えめでも満足感のある味わいになっている。

「体に優しい」を求めて作り上げた、まさにその通りの味わい。スープは動物性食材ゼロとは思えない旨みとコクを感じながらも、するすると飲み干せるのはやはり野菜由来だからなのか。飲み干した後、何か体にいいことをしたような爽快感があり、他のラーメンでは決して味わえない体験である。麺は折り紙付きの菅野製麺所製、切刃＃18のストレート麺。北海道産小麦を100％使用しており、豊かな小麦の風味がこの素朴で繊細なスープと合わさり味わい深い。具材にはタンパク質豊富な大豆とレッドキドニー、スーパーフードのクコの実で彩りを添えてヘルシーに。またスープをふんだんに吸ったお麩がおもしろい食感でアクセントになっている。

【KENJU KITCHEN 公式Instagram】kenju_kitchen

【住所】茨城県つくば市高崎1371-5
【定休日】日〜木曜日
【営業時間】17:00~20:00 (完売次第終了)