店舗概要
2020年10月22日、榎原店主が地元大阪吹田に創業。
もともと東京の池尻大橋で、イタリアン、フレンチを軸とした創作バルを営んでいたが、その時に限定メニューとして提供していたのが現在のヤマネコ軒のベースとなるラーメンだった。
元来味づくりを得意としていた事もあり、様々なラーメン店を食べ歩きそれぞれの長所を掛け合わせ、独学で作り上げたというラーメンは常連客の評判を呼び、居酒屋でありながらそのラーメンを目的に来店する客も多くいたほど。
そこで、『ラーメン』という商品1本にしぼり、地元に凱旋出店をしたのがちょうどコロナ真っ只中の時期であった。
苦労したこと
ヤマネコ軒という一風変わった店名は、ちょっと辺ぴなところにポツンとあるようなイメージの『“軒”』というフレーズへの憧れにも似た想いと、宮沢賢治著の注文の多い料理店に登場する店に由来するという。そのイメージの通り、店舗は駅からも少し離れた立地で一見ではラーメン店とは分かりづらい佇まいとなっている。その上、出店時期がコロナ感染拡大の真っ只中であったこともあり、当初は集客に苦戦する毎日であった。苦戦の理由がコロナの為なのか?味がブレているのか?判断が難しい日々が続く中、自分の舌を信じ味にこだわり、常にブラッシュアップを繰り返してきた。
『良いも悪いも決めるのはお客様』。そのラーメンと顧客への真摯な姿勢こそが、今日の多くの常連客を得た要因であることは間違いないだろう。
こだわり
老若男女すべての人が美味しく食べられる、そしてボリュームもあってお腹いっぱい食べて欲しい。こうしたい、という想いを重ねていった結果作り上げられたラーメンだという。
普通に考えれば作りたいラーメンの構想が先にくるものだが、榎原店主は顧客の食シーンに重きを置いてラーメン作りに取り掛かる。
多くの層に受け入れられるようにすっきりとシンプルに、それでいて深い動物系のコクを余韻に残す清湯スープ。そのシンプルなスープにしっかりとエッジを効かせる醤油ダレ。脂身のバランスを一定に保つように調整したほろっと崩れるほど柔らかなチャーシューは、極厚切りに仕上げることで『ヤマネコ軒らしさ』を主張。そして啜るたびにその全てを余すことなく引き上げてくる手もみ中太麺。
ラーメンを構成する一つ一つにストーリーがあり繋がることで一杯のラーメンを完結させる、計算し尽くされた仕事と顧客への想いが詰まった一杯だ。
商品特徴
荒々しいビジュアルの極厚チャーシューからは想像できないほどすっきりと滋味深いスープ。
そのスープを特徴づけているのが3種の醤油からなる自家製醤油ダレ。島根県松江の再仕込み醤油をベースに自家製の出汁醤油と貝醤油を合わせ、厚みのある醤油の味と香りが立ったカエシとなっている。敢えてこの醤油ダレを効かせ塩度を高めにすることでがっつり満足感を演出。そして大阪枚方のミネヤ食品製、切刃#10の中太手もみ特注麺を合わせよりスープを持ち上げやすく、醤油の塩度との絶妙なバランスを築いている。
ほどけるほどに柔らかく、それでいて豚肉本来の旨味を残す極厚チャーシューをほおばりながら、麺を啜りキリッと醤油の効いたスープで追いかける。そして時折ニンニクで風味を変えながら食べるラーメンはまさに『ヤマネコ系』と言えるほど、他には無い特徴とこだわりにあふれた一杯となっている。