店舗概要
2017年7月創業、2020年4月現在の地に移転した。創業前は和の職人として腕を振るってきた是枝店主が神戸という地に愛着を持っていた事で立地を選び、自身が魚介が好きであったことから貝に特化したラーメンの提供をと決め、店名にも“貝”を入れたという。そしてリスペクトするマンガ「美味しんぼ」の海原雄山に因み、『麺屋 貝原』と命名した。
また、女性の方おひとりでも安心して来店して欲しいと考えデザインしたという店内は、北欧風の色調でまとめられ清潔でお落ち着いた空間となっており、女性客への高いホスピタリティのお店となっている。
苦労したこと
10年間研鑽を積んできた和職人の頃から趣味でラーメンを食べ歩いていた是枝店主。
もともと魚介が好きだったこともあり、その中でも貝にフォーカスしたラーメンを作ると決めたものの、常についてまわるのが食材費=コストであった。メインで使用するのは牡蠣や大アサリ、そして温かいラーメンにはシジミをふんだんに使用するなど、様々な貝を試し立地やその顧客層に合う素材を使い分け、また、季節によっても一定の美味しさを提供できるように種類や産地を吟味してきた。当然コストは高くなるものの、10年の和職人の技術と知識、そして探求心を駆使し、より風味豊かでより濃厚な貝出汁を、という想いを持ち続け一杯のラーメンと向き合っている。
こだわり
一口目から牡蠣の風味が口いっぱいに広がるように。
その想いのもと素材は極めて丁寧な処理を行い臭みを一切感じさせずその風味を最も引き出すように仕込む。目にも楽しい様々な具材を配するものの、その一つ一つは牡蠣の風味を損なわずより引き立てるような食味に設計する。
つけそばには動物性のスープをベースとしてそのコクを土台にしたうえで牡蠣の旨味と風味を重ねていく。ラーメンは貝出汁と和出汁のみで仕上げ、よりすっきりと滋味深いスープを使用する。
是枝店主の魚介、特に貝出汁への深い理解は、入口を開けてすぐに漂う濃密で芳醇な貝の香りからも存分に感じ取ることができる。
商品特徴
1杯のつけそばに使用する貝の量と由来するその旨味と風味は群を抜いている!と自負する店主の言葉通り、食べる前からその香りだけでも濃密な牡蠣を感じる。
一口つけ汁を含むと一瞬で口中に牡蠣の風味が広がり、その密度の高さが押し寄せてくる。ただ、秀逸なのは牡蠣のつけ汁のみではなく、道産小麦を主とした自家製麺も素晴らしいポテンシャルを持っている。一般的なつけそばに比べ長く切り出された中ストレート麺は、キュッと冷水で締めることで麺肌はしなやかに、よりモチッとした食感を演出し、全粒粉の豊かな風味が際立つ。まずは麺だけでも味わっていただきたいクオリティーとなっている。
濃厚でありながら雑味は感じさせない、そんな丁寧な仕事が光る希少な1杯を是非啜って頂きたい。