店舗概要
1997年11月22日、松永にて「中華そばの店 たに」として創業。もともとは中華そば店らしい「〇〇軒」といった店名も検討していたが、字画の良さや友人の助言を受け、店主のあだ名でもあった「たに」と名付けられた。
その後、複数店舗の展開と統合を経て、現在は尾道駅前の一等地に店を構え、長年にわたり多くの顧客に親しまれている。
今でこそ尾道ラーメンを提供する店舗は数多く存在するが、創業当時はまだ広く知られておらず、同店はその先駆けの一つであった。2000年頃の尾道駅前再開発を契機に、地域とともに発展を遂げ、地元客のみならず観光客からも支持される、尾道を代表するラーメン店として営業を続けている。
尾道で生まれ育った谷森店主の強い地元愛と親しみやすい人柄がにじみ出る、どこかほっとする一杯を提供する一軒である。
苦労したこと
店主の谷森氏は、もともとサラリーマンや土工として働いていたが、「いつか自分の店を持ちたい」という夢を実現するため、ラーメン店での修行を経ることなく、閉店予定だった中華そば店を引き継ぐ形で開業した。
当初は前店舗のレシピを踏襲して営業していたものの、思うような結果が出ず、わずか数か月で危機的な状況に陥る。そこから製麺所や、そのつながりで知り合ったラーメン店主とともに試行錯誤を重ね、独自のスープを完成させた。営業終了後に自店と隣町の店舗を行き来しながら改良を重ねる日々は、決して容易なものではなかったという。
なお、この開発に協力したのは、現在福山で人気を集める尾道ラーメン店「一丁」の店主。互いに営業後にスープを持ち寄り、改良を重ねたその過程は、まさに信頼関係に支えられた努力の結晶といえる。
こだわり
ベースとなるスープは、数種類の魚節に加え、鶏ガラや豚骨、野菜をじっくりと煮込むことで、さまざまな旨味を凝縮させている。
一般的には、このスープに醤油などで作った「カエシ」を一杯ずつ丼で合わせて仕上げるが、同店ではスープと醤油などの調味料を一つの寸胴鍋で合わせ、そのまま炊き上げるという独特の製法を採用している。これこそが最大の特徴であり、最大のこだわりでもある。こうすることで、ベーススープの滋味深い風味と、たっぷりの背脂ミンチのコク、さらに醤油の味わいが一体となり、奥行きのある一杯に仕上がる。これを毎日必ず同じ味に仕上げること、そしてそのバランスを崩したくないため替玉を提供しない事もこだわりの一つだ。
また、油分をしっかりと効かせつつも、スープ自体はあっさりとした味わいに整えられており、年配の方でも毎日通えるよう工夫されている点も特徴のひとつである。
麺には地元・井上製麺の細麺を使用。国産小麦の中でも上質な小麦粉を用いたこの麺は、店主自ら複数の製麺所を食べ比べた末に選び抜いた、強いこだわりの詰まった逸品である。
商品特徴
たっぷりと浮かぶ背脂ミンチと、スープを覆う油膜が、まず「尾道ラーメン」らしさをしっかりと感じさせる。
ひと口スープを含むと、その見た目からは想像できないあっさりとした味わいに、良い意味でのギャップが生まれる。油分をしっかりと効かせながらも、スープ自体は軽やかに仕上げられており、力強い出汁の旨味と背脂ミンチのコクが絶妙なバランスで調和している。
平打ちの細ストレート麺は、スルスルとした喉ごしの良さが特徴で、スープと背脂がよく絡む。しなやかでありながらほどよいコシもあり、全体の味わいを引き立てる相性抜群の組み合わせとなっている。
店舗紹介
【公式HP】尾道ラーメン たに
【住所】 広島県尾道市東御所町1-7 尾道駅ビル1F
【定休日】 木曜日
【営業時間】 11:00〜21:00(L.O.20:50)